客観的評価システムは大きく分けて二種類あります。

一つは条件的客観的評価システムともう一つは結果的客観的評価システムです。

条件的客観的評価システムとは、社会の利益を生み出すであろう知識経験などを評価するもので、選抜試験、資格試験などがこれにあたりごく普及されている一般的なものではありますが、あくまで社会の利益を生み出すであろうという予測でしかありません。

結果的客観的評価システムにおいては、失業率 、GNP など経済成長率、福祉充実度などがありますがこれらは直接社会の利益とリンクしていますが条件的評価システムと違い、あまりダイレクトに使われにくいものです。代表的なもので選挙における政権党の評価で、総括的に使われています 。

条件的客観的評価システムだけであると所詮社会の利益における予測評価であり、ほぼ一回しか行われないものでありますから一回クリアしたものの中でグループ主義的腐敗が進行してしまいます 。

これは条件的評価システムの代表的欠点としてあげられ、条件的評価システムの初歩的な科挙制度においては、一度その制度が確立てしまうとそれをクリアした者たちによる特権階級によってグループ主義が形成され社会の利益とかけ離れて制度が硬直化してしまい進歩しなくなってしまいました。

諸外国に大学制度に裏打ちされたメリットシステム(公務員選抜試験)など他の優れた制度が出てきてもなかなか質の低い科挙制度からの脱却は中国で起こらなかったのもそのためです。

大学制度に裏打ちされたメリットシステムにしても英国社数理などの科目によって学歴という特権階級を形成されてしまうともっと社会の利益と直結した分野での評価システムが 改善・構築されにくくなってしまいます。硬直化、クリアした人々によるグループ主義による癒着化、腐敗が大きな欠点になってしまいます。

結果的客観的評価システムの方の欠点は簡単に言うとダイレクトには使いにくいものということです。一部の分野は除いてはですが・・・

例えばプロ野球選手なんかでは、打者は打率、投手であれば防御率などはまさに結果の客観的評価でそれに合わせて報酬・評価が行われます。

しかし、社会の利益に直結している分野においてあまり使われにくいものとなっています。失業率、経済成長率、寝たきり率、平均寿命、健康寿命、福祉充実度、生活幸福度などの総合的指数などが官僚・政治家などの評価・報酬に使われてるなどというのはあまり聞いたことがありませんよね!

 その中でGNP 経済成長率が官僚などの賞与と連動しているシンガポールはまさに例外的存在といえます。

客観的評価システムに関する詳しい内容については⑶グループ主義を制御する客観的評価システムの種類と長所・欠点(クリックするとリンクします)の記事でも述べていますので良ければ見てください。

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