官僚を優遇するとしても今のような公益と相反する天下り制度を推進するわけでは決してありません。天下りの画像

公益と沿う優遇制度(詳しくはこちら)を構築すべきということです。

しかし、なぜ官僚こそが最も優遇されるべき存在なのか?

それは国策一つ違えば、大きな公益の差がついて来るからです。

分かりやすい例として、戦後民主改革の一角である農地改革、財閥解体があります。

農地改革の停滞しているフィリピンでは財閥・大地主支配が著しい状態となっています。

地理的には台湾(農地改革が進んだ)に近接している位置にありながら、一人当たりのGDPでは台湾の十分の一程度しかありません。

戦前のフィリピンは東洋一の文明国といわれ、日本よりも豊かな状態にあり、日本人が仕事を求めて、フィリピンに多くの人が移住し、一九四〇年には在留日本人は三万人に達していました。

太平洋戦争によって、街並みが廃墟化しましたが、同様に廃墟化し、アメリカの影響が強い点でもフィリピンと同様であった日本が財閥解体・農地改革など戦後民主改革により経済大国となり一時期は先進国七か国中一人当たりGDPが一位で国民総生産も世界二位まで発展したのに対して、財閥の経済の独占や大地主のトラポに象徴される政治腐敗により、フィリピンはアジアの病人と揶揄され、経済の停滞から発展途上国に分類されています。

戦前から戦後の間近の一九五〇年代でもフィリピンはアジアでトップクラス(日本に次ぐ2位)の経済発展をしていました。

しかし、現在では後進国とされる東南アジアでもマレーシアやインドネシアに抜かれ、貧困と汚職の国となってしまっています。

深刻な財政赤字、通貨ペソの失墜、高い失業率、極めて低い貯蓄率による投資が伸びず、雇用創造に繋がらず、問題が山積し、警察はお金次第で動くといわれ、関税長官を一期務めれば豪邸が建つという位に汚職が蔓延ってしまいます。

当然のことながら、戦後民主改革がなければ、日本もフィリピンの様になっていた可能性は極めて高かったといえます。

つまり、この政策一部だけをピックアップして、かなり少なく見積もっても何千兆もの利益を生み出していることになります。

それを差配する立場の政策分野の人々は、社会の利益・公益性の観点において極めて重要で、その優れた人材発掘・育成・優遇策が何より最優先事項であることは揺るぎないものといえます。(シンガポールという国を見ても分かりますが、優れた人材を集めるには優れた待遇面が当然のことながら必要です。)

よって、政治分野に最も高給・高待遇の条件に設定し、その上で人材発掘の供給源として官僚専門職だけでなく、オンブズマン制度を介し、他のほぼ全分野から優秀な人材の発掘をさせることが非常に重要で必須な政策となって来ます。(詳しくはこちら

そうすることによって、経済的利益追求のインセンティブ面から、総国民の関心を政治分野に集中させ、結果的に自決思想(詳しくはこちら)を育み易い環境を創り出すことも可能となります。

政策分野に最も高給・高待遇の条件に設定するための経済的費用対効果については、上記している戦後民主改革の一部である農地改革、財閥解体がどれだけの経済的利益を生み出しているかを国際的な国家比較から考察すると、途轍もなくハイレベルなものであるということができます。

また、自決思想を育むことにより、安定・成熟した民主主義国家に導くことは、公益面において大きなプラスの政治的効果を生み出すことにも直結します。

次回 公益に沿った官僚に対する優遇制度

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