次に国際機関の改革について述べていきます。
記事の目次
①グループ主義による不正が非常に蔓延みやすい状態
現代の国連においては、極めて広範囲を管轄する機関でありながら、客観的評価システムがほとんど機能してないために、グループ主義による不正が非常に蔓延みやすい状態になっています。
そのため、国際支援は賄賂や腐敗を増大させ、社会利益的に逆効果になるケースが、結果的に多くありました。
アフガニスタンに対する国際的支援においても、コントロールされていない支援が、アフガニスタン政権と軍閥の腐敗・汚職を増大させ、それらに対する住民の反感がタリバーンへの支持増大に繋がり、多くのタリバーンを生み出し、さらに不安定な状態を招き、その状態を解消するために、さらにコントロールされていない支援が求められていくという悪循環に陥りました。
他国においても、支援国サイドの企業と被支援国の政権の強固な癒着が形成され、見せかけの支援・無用の長物はほとんど役に立たず、腐敗による対立の激化、貧困や混乱の増大、支援の名を借りた支援国の被支援国に対する実質的新植民地主義的支配の定着などただ程高いものはないと言える状況が典型化するリスクが高くなっています。
②では民主主義から派生する結果的客観的評価システムを導入するのはどうか?
しかし、EUのように、民主主義から派生する結果的客観的評価システムを作用させようとしても、先進国と後進国との間における不公平感からの主に先進国からの離脱、懐疑派だけが議席数を伸ばすなど国際機関として空中分解の状態になってしまいます。
では、先進国と後進国の間で差をつける形で民主主義から派生する結果的客観的評価システムを導入してはどうか?
つまり、国連の出資額に比例して、票の有効度合に差をつけるなどの対応をするというものです。
しかし、それをしてしまうと、基本的人権の問題や先進国と後進国の間での対立を誘因させてしまうなどの問題が発生して来ます。
そもそも、民主主義から派生する結果的客観的評価システムを国連のような世界全体を対象とする国際機関に導入するということは、EUを例にしても、各国の主権をおびやかす様な権限の強い世界政府的な国際機関を目指すこと意味してきます。
権限の強い世界政府的な国際機関を創立するということは、国家単位での客観的評価システムを作用・機能させる対象がなくなることになります。
それは、よりよい公的社会をつくるという点で大きなマイナスとなってきます。
権限の強い世界政府的な国際機関が実質的に一つの国家の形をとると、ベンチマーキング的な他の国家に比較しての改善・改革的実践が不可能となります。
そして、一度でも、その権限の強い世界政府的な国際機関が独裁的な圧制体制をグループ主義により確立してしまうと、修正をするのが極めて困難になります。
よって、国連のような世界全体を対象とする国際機関においては、民主主義から派生する結果的客観的評価システムをそのまま導入するのは非常に好ましくないと言えます。
では、現在のように国連においては、①IMF、安保理のような大国が支配する議決 ②経社理、総会のような第三世界の強い意思反映、つまり分担金負担率の少ない国々に意思反映がかたよるフリーライダー的議決の、共に客観的評価システムが機能しているという観点では乏しい二つの方法に委ね続けるしかないのでしょうか?
もちろん客観的評価システムには、1⃣民主主義から派生する結果的客観的評価システム以外に2⃣業績指標等による結果的客観的評価システムや3⃣条件的客観的評価システム等もあります。
これらの他の客観的評価システムでの充実で補足対応すべきでしょうか?
しかし、1⃣民主主義から派生する結果的客観的評価システムは、客観的評価システムの中でも、かなり有効なシステムです。これを全く効かせないのは、好ましくありません。
では、シンガポールのように部分的に効かせることを目指すべきでしょうか?
この課題は、非常に重要で困難な問題のため、取敢えず、棚上げにし、先に他の客観的評価システムの充実について、考証して行き、この問題については後に再トライアルして行きます。
③先ずは2⃣業績指標等による結果的客観的評価システムについて
よって先ず、2⃣業績指標等による結果的客観的評価システムについて考証していきます。
つまり、支援等の問題解決の成果の基準が客観化・数値化され、それによって、国連の委託を受けた民間の団体や企業が報酬をうけるというものです。
もちろん、企画・管理を行う国連職員も同様に成果によって、報酬が大きく上下するようにします。
形態としては、イギリスのエージェンシー制度のような形を採り、報酬のレベルは他の組織(各国家の官僚、企業等)への転出から生じる回転ドア的な癒着・不正を防ぐためにも、世界的に最高レベルにあるシンガポールの官僚レベル以上のものを想定します。
高報酬・身分保障を徹底させる代わりに、他の組織への転出に関する制限を厳格に設定します。
ただ、それらの高配当を維持するには、各国の国連への出資額だけでは限界があります。
被支援国が発展途上国的状態から脱し、発展した場合、支援前後における発展の度合によって、被支援国から配当・報酬を受けるようにすることにより、その問題をクリアしていきます。
人道主義的に全く無償で行うことは、無秩序の支援・見せかけの支援・無用の長物や新植民地主義的介入も生み出し、正にただ程高い物がないという状態に陥る可能性が高くなります。
よって、その費用を被支援国からの成功報酬により賄うことが望ましい方向性と言えます。
しかし、莫大な負債によって、永久的赤字国に転落させたり、韓国等の様に、外資による経済的植民化の状態にさせることは避けなければなりません。
支援する側と支援される側が+-でもなく、-+でもなく、++でなければ、結局の所の帰結は--になってしまいます。
十年、二十年の返済期間でなく、百年レベルの返済にし、自立期に入ってから返済のスタートが開始される様にし、借金返済というよりも、配当金の付与という形で、額も度被支援国の発展、世界における貢献度によって、大きく増減するようにします。
もちろん、その指標には客観的評価システムを十分機能させ、配当・報酬には国連も介在します。
そのため、支援サイドも莫大な報酬を得るために、必死に被支援国の内部改革を行い、発展させようと努力していくようにしていきます。
無償の人道支援の名の下、新植民地主義的介入によって、内部改革を阻害し、貧困を定着させるのとは、180度方向性が違う形となります。
国連は、委託した組織からの要請、そして協議の下で軍組織の有償的実動や支援における資金調達機能としての信託・保証の役割を担います。
支援組織は当面の費用全般的に国連を頼ることになります。
そして、支援のプロジェクトが終了して、被支援国が自立・民主化し、客観的評価システムが整備され、発展した後は、被支援国から報酬として莫大な配当金を国連を介して支援サイドに付与され続けることになります。
しかし、被支援国からその要請もしくは承諾などを得るのは、崩壊した政府系体の場合は不可能です。
よって、自動的に要請・承諾したとされる国際的規約が必要となります。
ケースとしては、被支援国の改革が、世界的利益の観点で早急に必要とされる場合、つまり一例として、その国・地域を起点としてテロや環境破壊が進行して世界的危機に直結する可能性がある場合などが該当します。
そして、具体的条件、配当金を付与して行く被支援国が健全的に実行していくためのスキームが必要となります。
額が少なければ、プロジェクトは成功しにくくなり、大きくなると、被支援国のその後の負担は当然大きくなります。
負担が大きくなると、被支援国は発展しにくくなり、報酬も少なくなるという悪循環に陥ります。
最も重要なことは、支援サイドと被支援サイドが++になるスキームであるということです。
つまり、支援側に将来において、莫大な報酬が成果によって与えられることにより、プロジェクト自体が進行途中であっても、その達成度・達成予測によって、将来の報酬を担保に資金を安定させることが可能になることと被支援側がその返済もしくは配当に対して、負担を感じず、発展して行けることが両立できるようなスキームであるべきということです。
そのためには、百年レベルの視点で資金の流れを考える必要があります。
そして、この長期にわたる資金調整を国連が担って行きます。
つまり、被支援国が支援サイドの信託を受けた国連に対して、奨学金と議決権が制限される優先株の中間的性質のような返済・配当のし方で行っていくというものです。
被支援国の出世払いを原則とし、発展途上国を脱するレベル近くまで向上して、初めて返済が開始されるようにしていきます。
では、今度は具体的に、軍閥・マフィアが跋扈し、腐敗・貧困・内乱に満ち溢れた、半分封建時代に先祖返りしたような状況で大改革を行うにはどうすべきか?を考証していきます。
Ⓐ民主革命時のカルバン諸国のようなグループ主義移行論的に行うか、Ⓑルター派諸国のように、他国や他地域の成功例を起点に、改革の基盤となる考え方、民主改革で言えば自決思想・平等思想が根付いている環境下で行うかの二通りの方法が歴史的には見ることができます。
それら以外に封建時代的状態を崩壊させるものとして共産主義が介在するものがありますが、客観的評価システムの機能が極めて作動しにくい環境下のため、グループ主義が蔓延り、改革・改善というより、改悪の要素が強くなるため、この選択肢は除外していきます。
では、二通りの方法のうちⒶカルバン諸国のようなグループ主義移行論的に行う方法を先ず考えていきます。
つまり、よりましなグループ主義への移行により、強大で固定的なグループ主義を革新するというものです。
しかし、カルヴァン派の民主革命により封建的グループ主義は確かに解消しましたが、代わりに台頭した資本主義万能論的グループ主義が、少しずつ時間経過が経るにつれて、帝国主義、、新植民地主義、環境破壊など新しい大きな問題を発生させ、現在の地球的危機の問題に繋がっているのを顧みると、その当時は新グループ主義が旧グループ主義より、格段にマシに見えても、後に巨大に解決困難な問題に発展する可能性は否定できません 。
よって、できれば、もうひとつのⒷルーター派諸国的な、新しいグループ主義が生み出しにくい手法が望ましいと言えます。
しかし、改革の基盤となる考え方を先行的に根付かせることは、それ自体、現状の軍閥の支配する荒廃的な環境下では、非常に困難で、事実上不可能と言えます。
ではどうするか?
ⒶⒷ二通りの方法をそれぞれ要素的に分解して、現行の状態に適合させる形状で組み合わせ、対応を考えていくしかありません。
今までの様に、いきなり軍閥の支配する全地域を武力の力を用いて、一時期的に一掃し、管理下に置いても、すぐにゲリラ的手法によって、安全面・補給面においてズタズタにされ、経済的莫大な経済的負担も加わるとすぐ撤退という結果になりかねません。
先ず、周辺的地域つまり安全面でも補給面でも管理しやすい地域を先行して支配下に置き、客観的評価システムが量・質ともに整備された地域社会を構築して、成功例を作り出します。
少し時間差を置いて、残りの本丸の広域地域に対処してていきます。
本丸の広域地域においては、武力的な方法を先行させず、現状支配する各軍閥と交渉し、比較的に協力的穏健的なグループに対しては、プロジェクトの補助機関としての役割を担ってもらうようにし、地域の発展、環境問題の解決となどに沿って、客観的評価システム的に報酬が与えられるようにします。
しかし、それらの旧軍閥の流れが新しいグループ主義化しないように、軍閥幹部の二代目世代に対しては、先進国各国に海外留学を推奨し、そこで国籍を取得させ、プロジェクト成功後、同地域を民主主義に移行させた後は一代目世代も二代目世代のいる国に、プロジェクトにおける寄与分に沿って支給される年金などの老後の保障の約束の下で、移住を推奨していきます。
それでも、当地域に残る希望がある元軍閥幹部で補助機関に在籍した経験者は、地域政治的にグループ主義的影響おを及ぼす可能性が高いので、旧支配地域外への移住を保障金などを伴って依頼します。
旧支配層のグループ主義を、プロジェクト実行に際して、排除しないため、新しいグループ主義は形成・台頭せずに済み、旧支配層の協力の下、客観的評価システムは質と量ともに整備されることにより、スムーズに脱グループ主義が計れます。
また、広域への進出前に、辺縁地域の成功例を提示することによって、内部抗争が激しくて極めて地位や権力基盤が不安定な支配者層に対して、安定的発展が実現可能な選択肢であること示します。
さらに、客観的評価システム下での公益に沿った莫大な報酬がされることも加味して伝達することにより、プロジェクトに対しての協力に舵を切らせやすくして行きます。
21世紀初頭のイラク戦争後のアメリカ軍の占領時において、イラク各地にアメリカ軍に対するゲリラ攻撃が多発し、混乱を極めた中で、ぺトレイアス将軍が司令官に任命されてからは、反対勢力の中心だったスンニー派を取り込むことによって、イラクの治安は劇的な改善が見られました。
しかし、米軍撤退後のシーア派のマリキ政権がスンニー派を阻害する政策を展開するとスンニー派に裏打ちされたイラク・イスラム国 ISが急成長し、治安情勢が最悪化していったことを見ても、反対勢力やゲリラを叩き潰すだけの手法では、混乱を治め、治安を維持することは困難と言えます。
ただ、非協力的、好戦的、過激派的軍閥を駆逐し、一掃するには、ぺトレイアス将軍の占領政策のベースに大規模派兵サージが必要とされたことを見ても、一定規模の武力の発動は必要です。
その占領政策の期間が短かったために、米軍撤退後は治安が再び悪化し、さらに深刻化していたことを見ても、一定期間の武力の発動も必要といえます。
しかし、一定規模・期間の武力の発動するには莫大な費用が必要となります
よって、武力の発動地域を狭い辺縁地域に限定するのです。
では次に、武力の発動により軍閥などが一掃された辺縁地域におけるプロジェクトの手順を詳細に考えていきます。
先ず、手を付ける分野は人材発掘・教育などの人材開発であるべきです。
教育アプリが内蔵されたスマートフォンを辺縁地域や協力的な軍閥支配地域に無料配布して、インターネット画面で教育官が学習の補助・質問・応答・進路誘導などを行います。
教養分野からスタートし、それから、それぞれ適材適所にあった多枝専門応用分野に進ませます。
分野ごとに◯✕式の1次試験、記述式の2次試験、テレビ電話上の口頭試験と全てネット上で行います。
それらの成績や人柄、方向性などの表記された一覧から審議官が教育官との相談の下、奨学生を選抜していきます。
奨学生には、辺縁地域の大学などの教育機関に進学でき、生活費を含む学費も給付されます。
もちろんのことですが、進学前にはネット上での成績が本当の実力か不正の下でのものかの厳密な最終試験や審査は必要となります。
教育機関に進んだ者は、実学重視された履修科目を、厳格な要求条件をクリアして、単位取得していき、卒業するための難易度はスイスなどをお手本とします。
教育機関を卒業した者には、職業に就いた後も生涯教育システムの下、職業分野別資格、職業分野別段階的技量評価の取得や向上を実践・継続させていきます。
また、大学での成績もその資格取得や 技量 評価の基本ベースに大きく関与させるようにしていきます。
その後、彼らが社会に貢献した実績や納税額は社会利益主義的観点の結果的客観的評価システム下で基礎票として表示されていきます。
もちろん資格取得や技量評価などの条件的客観的評価システム下での評価も基礎票に包有されていきます。
人材発掘機関、教育機関、資格・技量評価機関などの人材開発機関は条件的、結果的両方ともの客観的評価システムによって加算・蓄積される基礎票によりフィードバックを受けます。
つまり、奨学生・卒業生・資格取得者・技量評価認定された者の 基礎票の数値の平均値などによって機関に対する報酬や補助金が大きく変動するようにします。
人材発掘機関の教育官や審議官、教育機関んの教授なども担当した奨学生・卒業生が社会に大きく貢献すると彼らにも報酬や年金加算が与えられる形となります。
条件的評価で行われる官僚選抜にも同様のフィードバック作用として、基礎票による結果的評価を効かすようにします。
パブリックサービスの三つの要のうち、先ず育成の中心となるのは、この官僚により構成される特定行政官です。
条件的客観的評価システムと結果的客観的評価システムコンビネーションの作用を受けて育成された特定行政官の次はオンブズマンを、そして最後に政治家の育成へと進行していきます。
民主化に進行するためのそれぞれの段階の判断基準としては、社会利益主義的指標の中でも、経済力など国力全般に加えて、腐敗指標、教育レベル度合などを中心に設定します。
民主化などの大改革をグループ主義移行論的なものに頼らない形態で進めていく、つまり、新しいグループ主義の台頭を伴わない形態で進めていくためには、ルター派諸国の近現代史を見ても、三つの要素が必要となります。
自決思想、平等思想、成功例がそれに該当します。
自決思想は、オンブズマン制度を根付かせることによって、自動的に育成させるようようにしていきます。
平等思想は、人材発掘において、プロジェクトチームの専門部門の審議官による奨学生の選抜だけでなく、世界各国から支援官を募集し、支援官による奨学生の選抜も平行して行わせ、様々な国々・民族・宗教・人種の支援官の人々の手のより直接的に、貧困・紛争の生活から自分たちが救われることを体験させることによって、地域的・部族的対立意識を消滅させることなどから育成していきます。
支援官は、国レベルの支援と同様に、フィードバックの報酬が受けられるようにします。
つまり、支援した奨学生の社会貢献や支援官の出資額に比例して、支援官は長期的配当を受ける形となり、-+の自己犠牲的な形態ではなく、++的なシステムにより募集が大量に集まりやすくします。
ただ、搾取的な+-的な関係にならないように、本人の成長に合わせての配当の限度額の設定は本人に大きな負担をかけないためにも必要不可欠なものとなります。
成功例については、辺縁地域自体がモデルケースとなっていますが、さらにミクロ的に、その中にモデル 地域を設定していきます。
集団が小さい方が悪貨が良貨を駆逐するところの悪化が混入しにくく、つまりグループ主義の影響を受けにくくなり、客観的評価システムの質と量の伴った整備による成功例を作り上げやすくなるからです。
これらの三つの要素を育成しながら、達成判断基準を目安に、段階的に民主化の育成を進行させていきます。
高質的に民主化・自立化させた方がプロジェクトチームに莫大な報酬を与えられるようにします。
これは、新植民地主義的支援で、敢えて依存体質を根付かせ、利益搾取を継続していくことと真逆のシステムとなります。
プロジェクトチームに支払われる報酬は、もちろん社会利益主義的指標を中心に決定していきますが、国連、オブザーバーの国々、また自立度に合わせて支援地住民を参加させての議論により、どの指標に重点を置かれるか決定して行きます。
他国が支援などを出さなくていい部分を重視するなら、経済力・政府債務率などを、今現在危急の世界危機への対応を重視するなら、環境技術に関するものを、テロ組織などが他国に迷惑をかけないことを重視するなら、民主化値・腐敗度合などをそれぞれ比重を強化して組み合わせていきます。
それに合わして、プロジェクトチームやその後、民主化移行後の政府は基礎票の評価の重点を国家収入・歳入が重視されるなら、納税額などに、環境技術が重視されなら、その開発業績・技量評価などに置くように連動させるようにしていきます。
辺縁地域内のモデルケースが成功すると、住民内の自決思想や民族的・地域的平等思想が育成されていれば、ドミノ倒しのように改革は進行していきます。
辺縁地域全体のプロジェクトが成功すると、辺縁地域全体がモデルケース、成功例となり、周辺の広域地域へのプロジェクトが開始されます。
前述した通り、広域地域を支配する軍閥の旧支配層に対しては、現地支配権を委譲させる代わりに、先進国における国籍・市民権を付与するに加えて、経済面・身体安全面など多岐に及んでの保証を2~3世代にわたるまで約束します。
民族的・地域的平等思想を育成するには、奨学生と支援官の繋がりが鍵となります。
この繋がりのシステムは投資要素を含みますが、虚業的なマネーゲームによる万能資本主義的な、短期的、+-的、場荒し的な性質の投資要素ではなく、長期的アドバイス・ 育成・教育・様々な補助など実体を伴い、報酬も社会利益主義的指標を基準に与えられたるため、社会利益主義的な++的な性質の投資要素になります。
教育機関、資格・技量評価取得などを経て、社会に大きく貢献した奨学生の一族には数親等内に限定して、食料・医療・衛生品などの援助も行われるようにしていきます。
奨学生と支援官の関係は半永久的に、本人たちの特別の意向がなければ継続して行きます。
質的・量的にもこの繋がりのシステムを普及させていくことが、民族的・地域的平等思想を深く育成し、根付かせることになります。
自決思想の普及の評価指標としては、選挙における投票率、立候補者倍率などがあります。
モデルケースにおいて、極めて慎重にこれらを向上させるためのマニュアル作成を多くの試行錯誤と模索を経て達成させる必要があります。
これらは極めて重要な達成項目となるため、自決思想の普及を示す評価指標が向上しない内では、次のステージには移るべきではありません。
逆に言うと、この自決思想に平等思想を加えた状態で成功例が生じるとドミノ倒し的に改革が進行して行きます。
これは、ルター派諸国の近現代史が証明しています。
しかし、カルヴァン派諸国と違い、ルター派諸国では旧支配層の排除力が乏しいように、この方法では旧支配層の排除を別腹として前もってしておく必要があります。
よって広域地域におけるプロジェクトにおいては、前述のように、極力旧支配層を海外移転させる必要があり、その上で自決思想と平等思想の普及に留意しながら進めていく必要があります。
行き詰った時は焦らず、力技で強引に進めず、前段階に戻り、条件を改善してから再チャレンジするのが妥当と言えます。
❸形態の国家に陥るリスクがあるからです。
これらの様に、プロジェクトを行う組織・団体そしてそれらを委託・統括する国連は社会利益主義的指標に沿った2⃣業績評価の結果的客観的評価システムによってフィードバックを受け、報酬額が大きく変化するようにしていきます。
結果的客観的評価システムは総じて条件的客観的評価システムとの相互の密接な補完性が必須となってきます
④ 3⃣条件的客観的評価システムについて
よって、次に国際機関における3⃣条件的客観的評価システムについて考察していきます。
先ず国連職員のリクルートに関して考えていきます。
今までのような不透明なものではなく、各国の条件的・結果的客観的評価システムを反映した基礎票などを重視し、選抜内容をオープンにしていきます。
各国の基礎票だけでなく、国連独自でも人材育成・教育機関として、各地に国連大学を創立し、現在の一つだけではなく、複数を設置し、教育機能も刷新・増強し、成果を競わせます。
リクルートの対象となるのは、主として国連大学の卒業生とし、中途採用的に専門家を採用する場合は、癒着が生じやすい主観的・裁量的なものではなく、各国の基礎票など重視した客観的にオープンな条件下で実施するようにします。
国連大学などの教育機関、国連の人材採用機関などは実際に卒業生、リクルートされた者の社会利益主義的指標により評価された実績を反映した基礎票などの平均値などのフィードバックを受けるようにします。
つまり、社会利益主義的に貢献したものを教育・採用した責任者・責任機関がその度合により、受け取る報酬額が大きく上下・変動するようにします。
国連上級職の平均報酬は優秀な人材を集めるためにも、回転ドア的な癒着を防ぐためにも、世界的に高額で有名なシンガポールの官僚の報酬額以上の高待遇な水準とします。
その他保証においてもドイツのように充実させ、代わりに癒着が生じないために、転職などにおいて厳格な制限を設けていきます。
国連が委託するプロジェクトを直接運営・実施する組織・団体をセレクトする際にも、条件的・結果的客観的評価システムを反映した基礎票を個人レベル・団体レベルにおいても重視していきます。
つまり、個人レベルでは組織の基礎票の個の平均値やその総計、団体レベルでは実際の社会利益主義的指標により評価された実績が反映された基礎票などを重視していくというものです。
⑤棚上げしていた1⃣民主主義から派生する結果的客観的評価システムについて
では、2⃣3⃣の考察の次は棚上げしていた1⃣民主主義から派生する結果的客観的評価システムについて再び考察していきます。
やはり、国連のような世界全体を対象とする国際機関においては、民主主義から派生する結果的客観的評価システムをそのまま導入するのは好ましくないと言えます。
しかし、現在のように国連において、①IMF、安保理のような大国が支配する議決 ②経社理、総会のような第三世界の強い意思反映、つまり分担金負担率の少ない国々に意思反映がかたよるフリーライダー的議決の、共に客観的評価システムが機能しているという観点では乏しい二つの方法に委ね続けることも同じく、好ましくないと言えます。
国際機関に関しては歴史的な実践的資料が乏しいため、正に試行錯誤的に進めていくしかないと言えます。
今現在の時点では、シンガポールのように部分的に効かせ、2⃣3⃣の客観的評価システムで補足していくしかないと思われます。
では、どのように1⃣の民主主義から派生する結果的客観的評価システムを部分的に効かせていくか、考察していきます。
先ず、Ⓐ単純に人口数を基準に評価を算出する方法
Ⓑ国別の出資額比率×人口数を基準に評価を算出 する方法
の二通りの方法を併用し、進めていきます。
そして、効かせる分野を⑴重要職の任期や⑵国連上級職員に対する報酬の上限・下限額の設定、⑶オンブズマンの選出などに限定していきます。
⑴の重要職は事務総長やWHO、UNCTADなどの附属機関の長などが該当します。
初期、つまり、一期目の選出、決定、任命作業は既存の方法で行います。
そうすることで、民主主義的作用の欠点であるポピュリズムから由来するとんでもタイプのトップの出現を防止します。ヒトラーなどの極右的、迎合的、一つの角度に偏った者が選出しにくくするということです。
二期目からは、一期目の実績を見て継続すべきかどうかに1⃣の民主主義から派生する結果的客観的評価システムの作用を効かせます。
効かせ方は、ⒶとⒷ両方の方法での評価を共にクリアしたものだけ有効化します。
つまり、一票の平等の下、全ての国々の国民の投票数の過半数による可否とそれに国別の出資額を比例させた票調整されたものによる過半数による可否の両方の重なりが有効化には必要ということになります。
具体的に説明すると、Ⓐの方法では可Ⓑでも可の場合は可として有効化され、Ⓐの方法で否Ⓑでも否の場合は否として有効化されます。
しかし、Ⓐの方法では可Ⓑでは否やⒶの方法では否Ⓑでは可の場合は無効化され、既存の決定方法に委ねられる形となります。
任期は事務総長で三期を限度、他の附属機関の長は四期を限度とします。但し四期目は、ⒶⒷ両方の方法で共に3分の2以上の可の重なりを必要とするようにします。
⑵の国連上級職員に対する報酬の上限・下限額の設定は大体の報酬のスキュームをセレクトするということです。
原則的には、国連上級職員は、優秀な人材を集めるためにも回転ドア的現象を防ぐためにも、報酬においては国際的に見て最高レベルに位置する必要性があります。
基本的にその原則論を守りながらの設定ということになります。
世界各国の国民は、社会利益主義的指標、またそれにたいする費用対効果などを参考に七つ程の上限・下限額のシュミレーションの中からセレクトしていきます。その平均額が報酬のスキュームの決定値となります。
しかし、当然ですがⒶの方法での決定値とⒷの方法での決定値は変わってきます。
このⒶとⒷ両方の方法での重なりの部分を最終的な報酬のスキュームとします。
⑶のオンブズマンについてですが、1⃣2⃣3⃣の客観的評価システムが適格に機能するためには、1⃣の民主主義から派生する結果的客観的評価システムが十分に効かせられない状況下では特にこのオンブズマンの役割の重要度は大きくなります。
オンブズマンの選出もⒶとⒷ両方の方法で行いますが、今回は重なりではなく、並列でいきます。
つまり、両方の定数を決めて置き、重なって当選した者がいる場合はその分の次点の者がそれぞれ繰り上がっていきます。
オンブズマンには情報開示権など強固な権限を与え、報酬においては、国連関連の職員同様に、社会利益主義的指標などによるフィードバックの作用を受けるようにします。
ただ、国連関連の職員よりは長期的な視点で評価するようにします。
つまり、国連関連の職員のフィードバック的報酬を10年ほどのスパンで見るとすると、オンブズマンの場合は20~30年ほどのスパンで評価するということです。
実際の社会利益主義的指標における結果というものは、時間的ずれというものが必ずついてきます。
特に、オンブズマンのような、批判的・改革的な行為はその当時の時点では進行している政策の一時期的なストップを伴うリスクが高く、社会利益主義的指標も短期的に見ると悪化する可能性があります。
しかし、長期的な視点で見ると、批判的・改革的な行為な行為は、グループ主義が介入して、持ち込む主観性・裁量により1⃣2⃣3⃣の客観的評価システムが変質しないためにも必須といえます。
それは他のケースにおいては、重要なフィードバック的機能をはたしている1⃣の民主主義から派生する結果的客観的評価システムが十分に効かせられない状況下では、特に当てはまることになります。
ただ、批判のための批判でなく、代替え案などが伴う建設的な改革的な行為とするためにも、社会利益主義的指標などによるフィードバックの作用を受けることはオンブズマンにおいても必要といえます。
各国のオンブズマン経験者や全分野の中でも優れた人材の立候補者を集めるためにも、報酬額や在職時・退職後の保証などにおいての待遇面の高度度合は、国連関連の職員同様に、各国における最高レベルのもの以上に設定します。
この様に、1⃣2⃣3⃣の客観的評価システムによる国連などの国際組織を改善・改革していくための考証・考察をしてきましたが、1⃣においては正直、不安定さを感じています。
これからも、熟考し、試行錯誤しながら発信していきたいと思っています。宜しくお願い致します。