近代の軍事的天才・名将としてフランスのナポレオン、ドイツのマンシュタイン、日本では秋山兄弟、今村均などがいます。ナポレオンの画像

彼らに共通することは、マイノリティ的出身ながら条件的客観的評価システム(メリットシステム)によって才能を育成・発揮できるポジションが付与されたということです。ナポレオンの画像

ナポレオンはコルシカ島出身、マンシュタインは少数民族のスラブ系、秋山兄弟、今村均は明治維新時朝敵とされた藩出身です。

条件的客観的評価システムの大きな長所として、身分・出身などに関わらずに才能ある人材を発掘・育成できるという点があります。

マイノリティであるなどの逆境的要素は、インセンティブ面から見ても(具体的にいうとアメリカンドリームにおける移民一世・二世のハングリー精神など)才能を大きく開花させるための大きな要素です。

それを差別なく、公平にチャンス(機会)を与え、育成するシステムは優秀な人材を獲得するためには、どの分野においても最優先事項といえます。

しかし、この条件的客観的評価システムは戦前のドイツや日本を見てもわかるように独裁形態と親和性があります。

逆に独裁指向を和らげる効果が結果的客観的評価システムにあります。

民主主義から派生した結果的客観的評価システムが整っている程、民主主義指数が高く、安定・成熟した民主主義国家が築かれています。

また独裁国家であっても、民主主義から派生した結果的客観的評価システムとは違う種類の結果的客観的評価システム(公務員給与が GDP と連動しているシステム)が機能しているシンガポールでは官僚が支配する官僚国家でありながら、その弊害がアジアで最も少ない国家との評価を受けています。

それは、結果的客観的評価システムには総じてフィードバック的改善作用が有るからです。

しかし、必ず注意しなければいけないのが、結果的客観的評価システムが不十分な状態で条件的客観的評価システムを特化させてしまうと後々で独裁指向を制御することが非常に困難になるということです。

かといって、条件的客観的評価システムを避けすぎることは、独裁指向の国々との国力的パワーバランスの点からみても好ましくありません。(詳しくはこちら

よって、短期的には結果的客観的評価システム、長期的には条件的客観的評価システムも加えた相互補完性のあるシステムの整備が望ましいと思われます。

 

 

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