デンマークはdreamingの⑾北欧諸国の近現代史を客観的評価システムの観点から考察で詳しく言及していますが、プロテスタントのルター派の教徒が国の大部分を占めるルター派諸国、北欧諸国の一つで、これらの国々は総じて、民主主義指数が世界最上位に位置して、安定した民主主義を長期間保持しています。
デンマークも腐敗指数が常に世界最上位レベルに良く、国会議員の投票率も90%近くあり、民主主義から派生する 結果的客観的評価システム(詳しくはこちらをクリック)が正常に機能しています。
民主主義から発生する結果的客観的評価システム以外にもNPM 的政府の業績評価に関する結果的客観的評価システム、職業資格を重視した第3段階目の条件的客観的評価システム(詳しくはこちらをクリック)も充実しており、世界的にも客観的評価システムの充実度という点では最上位に位置する環境を作り上げ、国民の幸福度・国際競争力がともに世界的に同様に最上位に位置するという他国と比較すると理想的ともいえる国家となっています。
この記事では、その中でも職業資格を重視した第3段階目の条件的客観的評価システムを中心に見ていきます。
『世界一幸福な国デンマークの暮らし方』を読んで最も印象に残ったのが第三章の教育に関するもので、職業資格を重視した第3段階目の条件的客観的評価システムはその内容の中核となるものだったからです。
デンマークの教育制度は、日本のような英・国・数・理・社などの学歴(第2段階目の条件的客観的評価システム)を中心としたものではなく、他の北欧諸国やスイスやドイツ同様に職業と直結したものとなっています。
あらゆる職業でライセンス(資格)を持っていることが義務付けられていて、ライセンス所有者は職種による最低賃金が保証されています。
職業教育を終え、専門職のライセンスを得、実務経験を得た後でさらに同種のグレードアップした職業資格を取得することも可能です。
例でいうと、産業挙育コースの課程を修了して卒業資格を得て庭師になると40万程の月給が、さらに農業学校を卒業して農業技師の資格をとると50万、大学を卒業して造園設計技師の資格をとれば60万程の月給が保証されます。
これはスイスでも同様の制度がなされており、両国は生涯学習という観点ではそれぞれ世界的最上位のランキングに位置しています。
評価・報酬制度の裏打ちがあってこそ、学ぶインセンティブが生まれるため、当然と言えば当然ですね。
また、義務教育の最終学年には国家統一試験が実施され、その採点や口頭試問の面接官などは他の学校の先生が行います。
客観性という点では、あらゆる点で徹底されており、それが国民の幸福度・国際競争力がともに世界的に最上位に位置する理想的な国家を創り上げたんだろうな~と思いました!😄