132話自由の翼で14代調査兵団団長ハンジが飛行艇が飛び立つための時間稼ぎをするために、身を挺して地鳴らしに立ち向かう決意をします。
その際に、15代調査兵団団長を指名します。
今度こそは、経験の豊富さ・冷静な判断力などから、人類最強の男といわれたリヴァイ兵長かと思いきや選ばれたのは、アルミンでした。
ただ、その理由としてのハンジの『調査兵団団長に求められる資質は理解することをあきらめない姿勢にある。君以上の適任はいない。』という言葉に120%納得してしまいました。
確かに、権力闘争などにおいて勝利に導くための戦術的指揮・リーダーには間違いなくリヴァイ兵長が適任だと思います。
しかし、『変革を求める集団』調査兵団をまとめる団長という役職は、戦術指揮的リーダー以上に、戦略的方向性つまり『何のために行動するのか』『人類にとって何が最適の選択なのか』ということに対して皆が納得し、一団として結束して行動できる答えを提示するリーダーであることが求められる立場であることを考えると、やはりアルミンが適任のような気がします。
戦うというグループ主義的行為のリーダーではなく、人類の全体的に向かうべき方向性を示すリーダーであるならば、一番必要とされることは、『理解することをあきらめない姿勢』つまり、所属するグループ利益にそった主観的方向性ではなく、所属するグループと対立するグループの立場にも立った客観的方向性の姿勢を貫けるかどうかということです。
ただ、残念ながらそのような人物は歴史上、ほぼといっていい程、グループ主義的勢力によって迫害・除外されてしまう傾向になってしまっています。
ケネディ大統領しかり、坂本龍馬しかりです。
そうなると、その後国・世界など公的社会全般も大きな不幸を背負うことになってしまいます。ベトナム戦争のさらなる泥沼・アメリカの沈滞、戊辰戦争の内紛などです。
戊辰戦争は西郷隆盛と勝海舟の会談で規模縮小されることになりましたが、もし、そうでなければ、他の植民地支配された国々(中国など)をみても、同様に植民地支配の憂き目にあっていた可能性は高かったと思います。
なぜ、そのようにな傾向になってしまっているのでしょうか?
それは特別のシステムがないと、生物の本能としての集団欲の作用で社会はどうしても、悪貨(グループ主義)が良貨(公益主義)を駆逐する傾向になるからです。(詳しくはこちら)