著者の鴨頭嘉人氏のyoutubeの動画がきっかけで極力距離を置いてきた自己啓発という分野に足を踏み入れました。

彼のマクドナルド時代のことが書かれている本です。

一番印象的な場面はやはり、3章の彼の店長時代の大失敗と大成功の対比です。

初めての仙台の繁華街にある店長時代の彼は客観的に見ると、マクドナルドの店長としては正しい行いであったと思いますが、強権的で気配りに大きく欠けるものでした。

スタッフが次々と辞め、売り上げも下がり、半分左遷させられるような状態で青森への転勤となります。

2回目の店長時代では、180度スタッフに対するアプローチが変わります。

スタッフを疑い、否定するのではなく、信じると決める。

理想の共有、アイデアの随時採用etc

そこで彼は『従業員満足度』『お客様満足度』『売上伸び率』の三つの部門で日本一になるなど大成功をおさめます。

その後も次々と店長として、問題のある店を立て直し、改善していきます。

その中の一つのの店で、スタッフの働いている姿をひたすら褒めながら撮影している鴨頭嘉人氏がスタッフの一人から「店長って、運動会を見に来たお父さんみたい」と言われます。

自分の子供に接するように、良い成果を褒めるのではなく、働いている姿そのものを美しいと評価する。

できるできないは別にして、スタッフに対してそのような存在になりたいと心から感じました。

 

では、三つの本(「七つの習慣」「人を動かす」「人生で大切なことはみんなマクドナルドで教わった」)について総括していきます。

各種の自己啓発本を読んで(七つの習慣)各種の自己啓発本を読んで(人を動かす)の記事で言及している②のアプローチ(周囲の人々を変える)を考えるにおいての三つの本(「七つの習慣」「人を動かす」「人生で大切なことはみんなマクドナルドで教わった」)に共通していることは、客観的に正しいことより、感情・主観性などの問題の方が極めて重要であることです。

しかし、③のアプローチ(社会全体を変える)を考えるにおいては客観性の要素が極めて重要になって来ます。

主観性を基に進めてしまうと対立が当然起こりやすくなり、改善ではなく、改悪になってしまうリスクが高くなってしまうからです。

この相反する性質のために②のアプローチと③のアプローチが両立しにくくなっています。

運よくなったとしてもグループ対立を引き起こす結果となることが非常に多いのが現実です。

客観的評価システムがその分野において整備された社会であれば対立なく、比較的にスムーズに両立することになると思いますが、そうでない場合が、残念ながら、現社会では圧倒的に多く、質・量ともに客観的評価システムが整備されていれば、改革・改善しようと敢えてアプローチしなくとも、自然と改善の流れに進んでいきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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