歴史上で、欲を制御して、名君といわれた人物としては唐の太宗、ローマ帝国のマルクス=アウレリウス(五賢帝の一人)が挙げられます。
これらの名君の下で短期的には社会にとってはプラスの効果が及ぼされます。
しかし、長期的にはどうでしょうか? 太宗の跡を継いだ高宗は危険人物だから手を出すなと言われていた則天武后に魅了されてしまい、欲の権下とも言える彼女によって、唐は混乱を極めます。
マルクス=アウレリウスの跡を継いだコンモドゥスは欲・快楽に生きた暴君として名を残しています。
『社会の向上を座標軸で表すと』(詳しくはこちらをクリック)の記事を見ていただくと分かるように、社会に貢献した人がそれに見合って報われないと、貢献していない人が見合わずに報われることによって、長期的には逆にマイナスの効果を社会に及ぼしてしまうということです。
「英雄色を好む」という言葉がある通り、社会を変革する活力のある人たちはカエサル、ケネディ大統領etc欲が強い方々が多いです。
現代においても、名声や富を得た人の大半は、欲に走り・追及し、本人の世代で制御しても、それを継いだ次の世代において大抵は問題を起こしてしまっています。
欲というのは、ある意味、生物としての生存獲得のための必要不可欠なものであって、本来はそれを制御することが正しいのではなく、報われる人が正当にその欲を達成できる仕組みこそが正しいのではないでしょうか?
そうでなければ、表面的にはきれいごと、水面下ではどろどろとした歪んだ二面性のある社会になってしまうような気がします。
今、暴露系ユーチューバーの方が世間を騒がしていますが、水面上は華やかにきれいに見える芸能界も、水面下の部分ではそれとは対照的な現実があるのかもしれませんね。
生存獲得のための必要不可欠なものであれば、それを制御した者より、しない者が増殖していくのが自然の理かもしれません。
公益に努めた人々がそうでない人々よりも圧倒的に、自他ともに分かるレベルで報われ、欲を達成できる世の中にすることが何よりも大切なことのように思います。
そのためのシステムが客観的評価システム(詳しくはこちらをクリック)であり、これが充実している国程、発展し、国力(詳しくはこちらをクリック)・幸福度(詳しくはこちらをクリック)共に高い状態にあります。