国力の増加と客観的評価システムの相関関係を見て行くためには、先ずは集団欲とそれを制御する客観的評価システムというものが人類社会にどう深く影響を与えていくかを、人類の成り立ちから考察していく必要があります。

鋭い牙も爪も持たない人類が他の大型獣に打ち勝って生存できたのは、集団を形成することで初めて獰猛で強靭な獣と拮抗し、凌駕する術を得たからで、その本能として集団欲が深く根付きました。狩りの画像

人類は肉食獣的な個々もしくは一家族を単位とするよりも、草食獣的な集団を単位として生存競争を潜り抜けて社会的動物であり、集団や群れこそ実態とも言えます。

外部に攻撃対象を置くことによって、集団は内部の結束を強めます。内部の結束を強めることでさらに外部への攻撃は強くなります。この循環を繰り返し、集団はより強固なものとなっていきます。

しかし、これらが原始時代の肉食獣など他の動物に対して発動するのならともかく、人類が長い期間をかけてこれらの敵に対してほぼ克服し、もしくは生存において優位な立場になった時、つまり人類の人口が大幅に増え、他の多数の動物の中の孤立した集団ではなく、人間同士の集団が接し合うようになると、人類の集団の攻撃対象は人類の集団同士になってしまいます。

人類の集団同士の争いの中、集団は村を、村は小国をそして公(おおやけ)としての国を形成していきます。

国を支配する一族やグループは当然、特権や利益を得又差配する権限を所有することになります。これらは主に武力によって獲得されたもので当然に他の別グループによって同様に武力によって覆すことも可能となります。

実際にそうやって長い間中国は王朝と王朝の間に何百年という内乱の時代を必然のように含有し、王朝時代期間内にも常に政権内の武力的な紛争を抱え込んで行きます。

グループ同士、集団同士の争いは当然に公(おおやけ)としての国の力を落とし、属する個の人々の不幸に直結します。

内乱の時代は人口が激減します。生存するのが極めて困難な悲惨な社会となります。

つまり、原始時代のように人口が少数でそれぞれ孤立した集団しかない時ならともかく、人口が増加して多数の集団が融合した公(おおやけ)が構築されると公(おおやけ)内の 利権を巡って、しかも公(おおやけ)全体の公益を蔑ろにしながら、集団同士が争う傾向が非常に強くなります。

これをを避けるためには、公益と個また公益と集団を直接リンクさせる特別な仕組みが必然となります。

その仕組みがないと 、人類の歴史上、極めて長期間生存本能として強く機能し、実際他の肉食獣に対して有効に役目を果たしてきた集団欲が、原始時代を脱した時代においては、個と集団を密接にリンクさせ、公と個、公と集団のリンクを蔑ろにしてしまう結果となってしまいます。

その仕組みが客観的評価システムというものになります 。客観的評価システムというものには、公と個・集団それぞれと直接リンクさせていく働きがあるからです。

逆に言えば、客観的評価システムをしていくことが、グループ同士、集団同士の争いを制御し、国力を増加させることになります。

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