最近話題のMMT理論(現代貨幣理論)について考察していきます。
確かに一理ある考え方だと思います。
財政政策をしっかりやっていこうという点はまさにその通りだと思います。
しかし、この考え方が独り歩き、先走り過ぎて「国はいくらでも借金したら良いじゃないか」となってしまうのは、少し危険であるとも感じました。
政府債務残高(対GDP比)とは政府や経済そして国力などの健全化の一つの指標です。
それが全てを表しているわけではありませんが、最も重要な指標の一つといえます。
決して、むやみに全無視すべきものではありません。
歴史的に見ても、財政赤字は腐敗・不正を示すバロメーターであり、それを改革する側が既得権益に潰されることによって結局、国自体が崩壊していくのはいわば典型的パターンといえます。(フランス革命や中国の北宋時代など)
腐敗認識指数や世襲議員の割合などが政府債務残高(対GDP比)と深く相関関係しているのは当然といえば当然です。
政府や経済そして国力などの健全化が悪化すると当然のことながら、国の信用力も失われていきます。
MMTは国・政府の信用があればこそ成り立つ理論です。
その信用が失われる時代というのは、このまま行くと、そう遠くもないことであると思われます。
国・政府の信用がなくならない限り(ハイパーインフレや社会保障の失墜、戦争、税制度の崩壊、経済成長・技術革新の否定、などが起こるまで)ずっと円を刷り続けられます。
しかし、国・政府の信用がなくなりかけたとき、悲劇的なことが起こります。
そうならない様にするためには、客観的評価システムの質と量共に整備し、腐敗認識指数・政府債務残高(対GDP比)も改善し、並行して経済成長・技術革新を達成し、国力を上げていく必要性があります(詳しくはこちら)。
政府債務残高(対GDP比)、財政赤字というものは必ずしも国力・国の信用力と比例するとはいえませんが、歴史的に見ても大抵は比例します。
ここまで、膨れ上がった世界随一の政府債務残高(対GDP比)、財政赤字を軽視することには末恐ろしく感じてしまうのは自分だけでしょうか?