他決思想は他者に考え・判断を委ねるもので、反対に自分自身で判断していくのが自決思想です。
万人祭司の考え方からプロテスタントは自決思想と言え、教皇無謬説のカトリックなど大体の宗教は他決思想と言えます。
ケネディ大統領が就任演説で「あなたの国があなたのため に何ができるかを問うのではなく、あなたがあなたの国のために何ができるのかを問うてほしい」と述べたましたが、この言葉はまさに自決思想を指しています。
違う表現としては、カラマ・スッタでのブッダの言葉で『人から聞いたというだけの理由で信じてはいけない。何事も教師や司祭の権限だけの理由で信じてはいけない。ただ、よく吟味・熟考した上で、理性と経験によって、承認できること・良いこと・自他共にまた世界全体に恩恵をもたらすことを真実であると受け入れ、その真実に則ってあなたの人生を送りなさい。』というものもあります。
この自決思想は安定した民主主義を構築するためには極めて大事な鍵となる要素となっています。
しかし、現在の世界の状況ではなかなかこの自決思想が根付いて、成熟・安定した民主主義国家(民主主義指数の高い国家)を構築できているのは、プロテスタント国家にほぼ限られています。
ではプロテスタントの様な宗教的要素に頼らず、全ての世界の国民が自決思想をもつにはどうしたら良いのでしょうか?
一つにはdreamingの本格的作業(総論)に記述されている様(詳しくはこちら)に、この資本主義制度に則って経済的利益のインセンティブを利用する方法です。
政治分野の人材を最も優遇する原則の方向性とオンブズマン制度を絡めて、国民の政治的関心を底上げしていく方法です。
もう一つは、歴史的教育の再考です。
他決思想のカトリック教徒であるケネディ大統領自身、第一次世界、第二次世界大戦がなぜ起こったかについての歴史を学び、第三次世界大戦勃発の一歩手前まで行ったキューバ・ミサイル危機を、その賢明な判断で戦争を食い止めました。
歴史とは史実の年号を暗記するのではなく、本来はどうすれば、どうやったら、皆が幸せになれるかを追及・探求するために行うものです。
自決思想をめいめいが持つことが歴史的に見て、どれだけ、皆の幸せ、公益に直結しているかを皆が、世界中の全ての人が学び、認識することが第一のことといえます。
しかし、どちらもなかなか難しそうですね・・・