業績評価は公的利益と官僚組織のグループ主義的利益を同化させる工夫の中核となるものです。

業績評価をすすめるためには地方分権が進んでいる場所が望ましいといえます。

自治体が行政において自由裁量で行える範囲が大きい程、自治体間におけるベンチマーキング的改善を試みることができるからです。

しかし、結果的客観的評価システムの一つの業績評価が広く行政に普及するには大きな課題が存在します。

1990年代半ばから2000年代前半に行政評価は広く導入されたましたが、少なくない場面で行政評価は形骸化しています。

 原因の一つとしては評価の指標細かく、多数に設定してしまうことがあります。

評価の指標をイギリスのエージェンシー 制度・ベストバリュー制度やアメリカの GPRA・PART のように余りに細かく、多数に設定してしまうと、もちろんそれが管理チェックできるのであれば望ましいかもしれませんが、管理費用的にも限界があるために事実上チェック不十分であったり、アウトカムベースでなくプロセス重視の業績指標が主流になってしまい、主観性・グループ主義の介入防ぐことが困難になってしまうリスクが高くなります。

よって、結果的客観的評価システムにおける業績指標は、経済成長率・失業率・財政赤字比率・排出 co2量など社会利益に総括してリンクしている指標を評価報酬の主流指標とし、それらの主流指標の管理チェックに客観性のあるダブルチェック・トリプルチェック等集中を行い、細分化された指標に関しては地域的・地方分権的管理を委任された地方行政官が自らの行政評価を主流指標によりなされる中で、業務をさらにミクロ的に委任する際に、委任先の評価をするための指標として当行政官の裁量で使われるべきです。

もちろん、それらの主観的裁量の可否は主流指標によって行われる結果的客観的評価システムによって是正されることになります。

また、地方行政官の選出に関しても、第3段階目の条件的評価システムを深く関与させ、その条件的評価システムを裏打ちする教育機関や管理・選抜・評価を行う試験実地センターもしくはそれらを総合的に統括された組織・団体も行政官の社会における貢献度指標の統計によって、結果的客観的評価システムのフィードバックを受ける様にします。

この様に、主流指標にチェック管理を集中させ、多種にわたる客観的評価システム折重ねて作用させることによって、主観性を客観性の管理下に置き、グループ主義の介入を徹底的に防御する形態にすることが、結果的客観的評価システムとってもそれによって補完される条件的客観的評価システム双方にとっても、社会利益の観点から見て望ましい高質性を保つことに繋がります。

 もう一つの原因として挙げれることは、業績評価における報酬が少額なことです。

報酬が少なければ、他の要素、アメリカで言うとロビー活動猟官制、中国で言うと官僚腐敗癒着グループ主義引力負けてしまいます。

つまり、結果的客観的評価システムである行政の業績評価である GPRAやPARTが、21世紀初頭のアメリカにおいて、余り活用されず、業績評価の中心的役割を担う GAOも ロビー活動や猟官制が生み出すグループ主義に影響を受けた議会などによって、チェイニー副大統領提訴問題の時に、掣肘を受けたり 、GAO 自体の人員や予算の削減の圧力によって無力化されてしまったようにです。

同様に、結果的客観的評価システムである GDP と行政幹部の賞与等と連動したシンガポール発祥のシステムが、世界に類を見ない高報酬設定下での シンガポールではく、不正・癒着が少なく、健全に機能しているのに対し、世界に類を見ない低報酬設定下での中国では 不正や癒着が大きく介入することによって、GDP を水増ししたり、乱開発など不健全に機能し、長期的には逆効果に作用してしまいます。

よって、結果的客観的評価システムの報酬はグループ主義の引力やベネフィットを追い出すインセンティブを持つレベルであることが必要不可欠といえます

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