今、与党自民党の総裁選が話題になっています。

与党の総裁=日本の総理という図式になりますので、次の総理が決定されるわけです。

しかし、誰が総理になっても初期は期待値で支持率が上がり、その期待に対する落胆から次第に支持率が下がっていくという循環を常にループしている様に思われます。

なぜこの様なループが永遠にくりかえされるのでしょうか?

このループを止める・改善する手立てはないのでしょうか?

 

そのループの原因は人材的・能力的なものではなく、システム的なものであると考えられます。(でなければ、たくさん人を替えてもループは生じませんからね!)

よって、いくら菅さんを替えて他の自民党内の有力候補、はたまた他党の党首の方がトップになったとしても、システム的な根が同じである以上、花を摘んでも結局は同じ花が咲くような気がします。(少し色・形が違うにしても、品種は同じ)

ではシステム的などこの組織が主導するかが問題なのでしょうか?

日本の政治は長い間、官僚が大きな力を握り、許認可や予算配分の影響力を武器に実質的に政財界を支配してきました。
省庁の利益を優先する「省益あって国益なし」の方向性における政財官癒着はリクルート、東京佐川急便事件などの大型汚職事件を引き起こしました。
それらを改めるために「官僚主導」から「政治主導」に転換するのが、政治改革の目的でもありました。
先代の安倍総理時代では、連続・通算ともに在任期間が史上最長となった内閣では政権中枢に権力や権限を集中させ、官邸主導で政権運営を進め、その政治状況は「安倍一強」とも呼ばれました。
しかし、その様な「政治主導」の結果が首相と近しい関係者を優遇した森友・加計問題や「桜を見る会」の問題などの「官僚主導」の時と同様の相も変わらずの癒着・不正の続発でした。😓
菅総理になってもご子息の総務官僚に対する接待問題やオリンピックにおける電通などとの利権問題が取りざたされています。

結局はどこの組織が主導しようと、主観的・裁量的に行ってしまうと負のループは止まりません。

 

利権に関係しない的確な政策を出すためにはグループ主義を排除・制御できる客観的評価システムの整備の度合が深く関係してきます。

的確な政策そしてそれに伴う国力の増加と客観的評価システムの相関関係を見て行くためには、先ずは集団欲とそれを制御する客観的評価システムというものが人類社会にどう深く影響を与えていくかを、人類の成り立ちから考察していく必要があります。

鋭い牙も爪も持たない人類が他の大型獣に打ち勝って生存できたのは、集団を形成することで初めて獰猛で強靭な獣と拮抗し、凌駕する術を得たからで、その本能として集団欲が深く根付きました。狩りの画像

人類は肉食獣的な個々もしくは一家族を単位とするよりも、草食獣的な集団を単位として生存競争を潜り抜けて社会的動物であり、集団や群れこそ実態とも言えます。

外部に攻撃対象を置くことによって、集団は内部の結束を強めます。内部の結束を強めることでさらに外部への攻撃は強くなります。この循環を繰り返し、集団はより強固なものとなっていきます。

しかし、これらが原始時代の肉食獣など他の動物に対して発動するのならともかく、人類が長い期間をかけてこれらの敵に対してほぼ克服し、もしくは生存において優位な立場になった時、つまり人類の人口が大幅に増え、他の多数の動物の中の孤立した集団ではなく、人間同士の集団が接し合うようになると、人類の集団の攻撃対象は人類の集団同士になってしまいます。

人類の集団同士の争いの中、集団は村を、村は小国をそして公(おおやけ)としての国を形成していきます。

国を支配する一族やグループは当然、特権や利益を得又差配する権限を所有することになります。これらは主に武力によって獲得されたもので当然に他の別グループによって同様に武力によって覆すことも可能となります。

実際にそうやって長い間中国は王朝と王朝の間に何百年という内乱の時代を必然のように含有し、王朝時代期間内にも常に政権内の武力的な紛争を抱え込んで行きます。

グループ同士、集団同士の争いは当然に公(おおやけ)としての国の力を落とし、属する個の人々の不幸に直結します。

内乱の時代は人口が激減します。生存するのが極めて困難な悲惨な社会となります。

つまり、原始時代のように人口が少数でそれぞれ孤立した集団しかない時ならともかく、人口が増加して多数の集団が融合した公(おおやけ)が構築されると公(おおやけ)内の 利権を巡って、しかも公(おおやけ)全体の公益を蔑ろにしながら、集団同士が争う傾向が非常に強くなります。

これをを避けるためには、公益と個また公益と集団を直接リンクさせる特別な仕組みが必然となります。

その仕組みがないと 、人類の歴史上、極めて長期間生存本能として強く機能し、実際他の肉食獣に対して有効に役目を果たしてきた集団欲が、原始時代を脱した時代においては、個と集団を密接にリンクさせ、公と個、公と集団のリンクを蔑ろにしてしまう結果となってしまいます。

その仕組みが客観的評価システムというものになります 。客観的評価システムというものには、公と個・集団それぞれと直接リンクさせていく働きがあるからです。

逆に言えば、客観的評価システムをしていくことが、グループ同士、集団同士の争いを制御し、国力を増加させることになります。

古代中世において東洋一の大国として巨大な統一国家を形成・維持した中国は科挙制度(詳しくはこちらをクリック

古代中世の西欧において最大の繁栄を誇ったローマ帝国では補助兵を25年間勤めればローマ市民権が与えられた制度(詳しくはこちらをクリック

近代世界の覇権国となったイギリスは民主主義から派生する政権党の政治に対して多数の国民による選挙における支持率という評価と政権を任せるという報酬制度(詳しくはこちらをクリック

小国ながら世界最先進国となっている現代のシンガポールにおける官僚などの賞与と GDP 成長率とを連動させる制度(詳しくはこちらをクリック

ドイツをヨーロッパ最強の近代国家の一つに躍進させ、日本をアジア最強の近代国家とさせたメリットシステム(詳しくはこちらをクリック

英国病から脱出させた現代のイギリスにおける数値指標により業績評価・報酬をするエージェンシー制度(詳しくはこちらをクリック)などです。

現代の日本においてはこの客観的評価システムにおける整備度が不十分であることから、グループ主義における利権、そしてその根から生まれる花つまり政権はどうしても公益よりも利権・しがらみを優先する色・形になるというのは必然の理といえます。

よって、なぜ、この様な負のループである『相も変わらずの癒着・不正の続発が収まらないのか?』を客観的評価システムの整備度合の観点から考察していきます。
官僚は条件的客観的評価システムが生み出したものである為、「官僚主導」の良し悪しは主として条件的客観的評価システム(詳しくはこちらをクリック)の整備・機能度合を反映します。

政治家は民主主義が生み出したものである為、「政治主導」の良し悪しは主として民主主義から派生する結果的客観的評価システム(詳しくはこちらをクリック)の整備度合を反映します。

 

先ず、日本における条件的客観的評価システムの整備・機能度合を見ていきます。

大学は、官僚などの公務員をはじめとする様々な職業の公益に対する条件的評価システムの基礎となるものです。

日本の大学では補助金・助成金の獲得のために、多くの天下りを受け入れ、癒着の温床となっており、教育の質を高めることに対する方向性が必然的に薄くなっています。

条件的客観的評価システムの歴史的に見た進歩度合いとしては、先ず初歩的な第1段階ものとしては、科挙があり、次に 第2段階として、学歴に基づいたメリットシステムがあります。

そして、第3段階としては学歴以上に社会の利益に則したものとして、ほぼ全職業に網羅された職業資格認定・技能鑑定制度があります。

スイス・デンマーク・ドイツなど国際競争力の強い国々の多くは、この第3段階の度合いにあるシステムを導入しています。

大学での専攻内容が、卒業後の職業に直接結びつくことが基本形で、日本のように学歴を基準に企業に就職するのではなく、実学重視のカリキュラムの中での成績評価GPA などを基準に特定の分野の特定の職種というようなスペシャリストとして就職していくアメリカのシステムは第3段階の度合いに準ずるシステムと言えます。

対して日本においては、スイスやアメリカのような結果的・客観的フィードバック機能がなく(スイスの大学では、教育の質を評価し、向上させるために、360度評価である講師及び事業内容を学生に評価させ、さらに2年ごとに卒業生に大学の勉強が現在の仕事に実際役立っているかなどの質問における結果が公表されるなどの客観的なフィードバックシステムがあり、スイスの国際競争力が世界最上位クラスであることの大きな要因の一つになっています。アメリカの大学においても同様に、学生が担当教授の評価をすることが義務付けられています。)、教育の質を高めることよりも、天下り先を増やすことに方向性が向いている官僚の主観的なグループ主義的干渉が強く働いています。

そのため、日本の条件的客観的評価システムの進歩度合いは、第2段階目の学歴に基づいた段階で、長く停滞しています。

スイスやアメリカの大学生はよく勉強し、日本の大学生の勉強時間は国際平均に比べて圧倒的に低いと言われています。

アメリカやスイスでは様々な試験による評価が課せられ、それを通過しないと卒業できないため落第率が高く、卒業率が低くなっています。

また、アメリカの GPA などの評価は企業に就職する際に、大きく考慮されます。

大きく将来に関わってくる評価システムがあるため、皆が必死で学んでいきます。

また、教授サイドも、その勤勉な学生からのフィードバックによる評価に曝され、質の高さを求められるため、優秀な人材が国内外問わず集められることから、アメリカもスイスも半数以上の教授は外国人が占めています。

それに対して、日本の大学生のほとんどは卒業し、その成績も就職にほとんど関与しないため、つまり評価に曝されないことから、皆が余り学ばなくなります。

日本の就職において、評価の対象になるのは主に学歴です。

しかし、学歴は大学入学試験における国語・英語・数学・理科・社会などの教養科目に対する評価になります。

教養科目は、実際的に、社会の利益を直接的に生み出す実学とは距離があります

主にその実学を学ぶ場が大学であるのに、それに対する評価はほぼ存在しないため、皆が教養科目を対象とした大学入試では必死に努力しても、大学に入ってからは余り学ばなくなるのです 。

また条件的客観的評価システムの代表的欠点として結果的客観的評価システムのコントロールが働かない状態で制度が一度定着すると、それによって創られた組織が固定的に硬直化し、公益に反してグループ主義に特化してしまう性質があります。(詳しくはこちら

つまり、結果的客観的評価システムの機能・整備度合によって条件的客観的評価システムの機能・整備度合も大きく影響を受けるということです。

 

次に、その結果的的客観的評価システムの日本における整備・機能度合を北欧諸国との対比で見ていきます。

日本は世界最大の政府債務残高(対GDP比)を保有してしまっていますが、日本以上に福祉国家であり、大きな政府である北欧諸国の政府債務残高(対GDP比)では日本の四分の一以下で、腐敗認識指数・国際競争力も世界最良位レベルを諸国それぞれが保っています。

この日本と北欧諸国の大きな差を生み出した原因は、民主主義から派生する結果的客観的評価システムの機能・整備の度合にあります。

選挙においては、日本では候補者の名前を連呼連呼の画像するような認知度・知名度など主観的要素を競うことを主とし、政治家は政策を学ぶより、新年会・忘年会・盆踊り盆踊りの画像などの顔出しが重要視されますが、スゥエーデンでは、政策論争を中心とした静かな討論・対話集会対話の画像が一般的で、各政党のマニュフェストを叩き台にした具体的な政策論議が進められます。

政治主導による政策の実行で政策党の公約の七割から八割はスゥエーデンでは実行されていきます。

抽象的な公約しか掲げられず、余り守られない日本とは対照的です。

また、投票率も、定員に対する立候補者数も圧倒的にスゥエーデンは日本を上回っています。

民主主義から派生する政権党の政治に対して多数の国民による選挙における得票率という評価と政権を任せるという報酬という結果的客観的評価システムでは他の野党との対比や選択肢の豊富さがその機能の充実度に直結しており、マニュフェスト等により具体的な公約が示され、過去実績において七、八割実行されていることは政権を任されていない野党であっても、政権獲得後のビジョンが把握でき、与党の代わりとなる選択肢になり得ると共に与党の実際の政治と以降の方針であるマニュフェスト等との対比にもなることから、日本の様にマニュフェストが抽象的で余り守られないことと比較すると機能の充実度がかなり高いといえます。

選択肢がなかったり、対比がしにくい状態では、当然投票率も下がり、日本の地方の首長を決める選挙では、相乗りの候補と共産党の候補の二択しかないことが常態化して、投票率も20%台とかなり低率になることもあります。

投票率が下がると一部の利権団体の影響力が大きくなり、正当な評価がされにくくなるという悪循環に陥ります。

また、民主主義から派生する結果的客観的評価システムを反映する政府のコントロールを阻害するグループ主義的要素が強ければ当然、その結果的客観的評価システムの作用は弱いものとなります。

日本における特別会計制度や天下り制度はまさにその代表的強力なグループ主義的作用を思う存分発揮し、逆に結果的客観的評価システムの作用は微弱なものに転化させています。

つまり、日本ではグループ主義を制御する客観的評価システム(詳しくはこちら)の機能・整備度合が条件的客観的評価システムにしても結果的客観的評価システムにしても十分にされていない状態といえます。

この様な状況下では、結局はグループ主義が跋扈し、癒着・不正が続発してしまいます。

大事なことは「官僚主導」か「政治主導」よりも客観的評価システムの機能・整備度合であることが分かります。

そのことを証明する国家が日本以上に「官僚主導」体制を採り、しかも独裁国家であるシンガポールです。シンガポールの画像

シンガポールは戦後、隣国マレーシアのルック・イースト政策に先駆けて、日本をモデルに、日本が官僚主導の開発主義体制から日本株式会社と呼ばれたように、国というより、一つの株式会社と呼ばれるような産業の隅々まで、国・官僚のコントロールが行き届いた形態を創り上げました。

日本が、戦後の民主改革の恩恵により、一時期的にせよ多くのグループ主義が解除されることによって高度経済成長し、世界第二の経済大国になったものの、グループ主義の再構築によって、世界最大の政府債務残高(対GDP比)を保有するようになってしまったのに対し、同形態に思えるシンガポールは、健全に成長を続け、国際競争力・国際格付、腐敗指数など全て世界の最良・最上位のレベルを保持し続けています。

両方、官僚主導とする一つの株式会社と称される形態であるのに、一方は腐敗・癒着による無駄遣いによる借金大国になり、一方は官僚機構に関する調査でアジアで最も官僚の弊害が少ない評価を受ける違いはどこから来るのか?

それは、官僚の報酬体系から読み解くことができます。

日本においては天下りという非公式で、癒着性の高い、加えて上司や政官財のグループ主義などの主観的裁量の影響を受けるものを主体としているのに対して、シンガポールでは官僚の報酬はGDP成長率という客観的指標と連動し、国が成長すると報酬が増え、停滞すると報酬が下がります。

二十世紀末に一人辺り国民所得がかっての宗主国イギリスを抜いた時、政府は閣僚と高級官僚の給与を大幅に引き上げて、その労に報いました。

このシンガポール独特の結果的客観的評価システムによって、シンガポールの官僚は企業の業績を上げ、国を成長させることに全力を傾け、成長の画像「官僚主導」体制を適格に運営しているのです。

一方では天下りのなどのシステムによって、日本の官僚は公益に相反するグループ主義に邁進することになってしまっているのです。天下りの画像

また、前述したように民主主義から派生する結果的客観的評価システムの機能・整備の度合が充実しているスゥエーデンなどの北欧諸国では「政治主導」体制が適格に運営されています。

では、現代日本の「官僚主導」「政治主導」両面において、客観的評価システムの機能・整備度合を高めるにはどうしたらいいのでしょうか?🙄

先ずは「政治主導」の面において考えて行きます。

特別会計制度や天下り制度廃止し、マニュフェストの提示と実施の厳守を法律化すると当然のことながら、「政治主導」の面における客観的評価システムの機能・整備度合を高めることができます。

しかしながら、言うが易し行うが難しです。😓

強固に確立された官僚を中心としたグループ主義体に間違いなく排除されます。

ではどうすれば良いのでしょうか?

簡単です。彼らにとってもプラス、公益にとってもプラスになる案を提示すればよいのです。😁

特別会計制度や天下り制度廃止し、マニュフェストの提示と実施の厳守の法律化は公益と負の相関関係にあるような「官僚主導」の要素を縛ることです。

これらは公益にとって必要なことではありますが、現在のグループ主義化した官僚組織にとっては不利益この上ないことです。

その不利益をはるかに超える利益を官僚組織に提示すればいいのです。

つまり、シンガポールのように公益と正の相関関係にあるような「官僚主導」の要素を強固に添加していけばよいのです。

詳しくは官僚こそが最も優遇されるべき存在(こちらをクリック)という記事で述べていますが、政策分野の人々は、社会の利益・公益性の観点において極めて重要で、その優れた人材発掘・育成・優遇策が何より最優先事項であることは揺るぎないものといえます。(シンガポールという国を見ても分かりますが、優れた人材を集めるには優れた待遇面が当然のことながら必要です。)

よって、政治分野に最も高給・高待遇の条件に設定し、その上で人材発掘の供給源として官僚専門職だけでなく、オンブズマン制度を介し、他のほぼ全分野から優秀な人材の発掘をさせることが非常に重要で必須な政策となって来ます。(詳しくはこちら

そうすることによって、経済的利益追求のインセンティブ面から、総国民の関心を政治分野に集中させ、結果的に自決思想(詳しくはこちら)を育み易い環境を創り出すことも可能となります。

政策分野に最も高給・高待遇の条件に設定するための経済的費用対効果については、戦後民主改革の一部である農地改革、財閥解体がどれだけの経済的利益を生み出しているかを国際的な国家比較から考察すると、途轍もなくハイレベルなものであるということができます。

また、自決思想を育むことは民主主義から派生する結果的客観的評価システムの機能を高めることになり(詳しくはこちらをクリック)、それにより、安定・成熟した民主主義国家に導くことは、公益面において大きなプラスの政治的効果を生み出すことにも直結します。😄

次回 公益に沿った官僚に対する優遇制度

 

 

 

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